転職で自分を見つめ直す
80年代前半では、転職することは今ほど普通のことではありませんでした。
転職することで給与が下がってしまう場合が多く、なおかつ、退職金額は勤続年数に比例してしまうという考えもあったため、たとえその会社や仕事が自分には向いていなくても、辞めずにそのまま続けた方がいいという考えが主流だったのです。
そんな時代だったため、自分がやりたいと思う仕事を求めて転職する人のことを青い鳥症候群という言葉で非難することが流行ったりもしました。
最低3年はその会社で我慢しろ。石の上にも3年だ。そうすれば、仕事に面白みが見えてくるはずだ。
こういったお決まり文句を言って、早期の転職者をいさめる人がほとんどでした。
しかしながら近年、状況は大きく変わってきました。
企業側は終身雇用の考え方を捨て去り、その時々に必要なだけの社員を雇用するという、効率を追求する経営に変わりつつあります。
たとえ自分が現在働いている会社で定年まで働きたいと思っても、会社をとりまく環境次第でそれができなくなってしまうのです。
このような過酷な状況の下で、私たちが、どんなときにでも会社から見放されたても、納得できる仕事を確実に保てるように、いつ何時でも準備しておく必要があると考えられます。
社会経験の長さや年齢に応じ、社会的に必要とされる技術を身に付け、人材としての価値を持ち続けていかなければいけないのです。
こういった時代背景を考えて、これからの仕事選びや職場選びは、自分の志向と一致していて、能力的にも自分は適応できるかをチェックすることが大切になるのではないでしょうか。
自分には合っていない仕事や、それほど好きではない仕事でも、我慢を何とかしていれば食べていくだけの収入は得ることできるかもしれません。
しかし、頑張りたいと思えない仕事についていたのでは、生きていくうえでの楽しみもないし、その収入すらもいずれは失うはめにもなりなかねません。
それに対し、自分が好んだ仕事や自分に合う仕事なら、多少辛いことがあっても我慢はできるし、ちょっとした喜びが大きなエネルギーになるものです。
そんな努力を継続して、経験を積み重ねることにより、仕事を遂行するうえでの技術や知識が高まり、キャリアとしての幅と奥行きを広げられるからです。
5年程度で転職を繰り返しても、十分食べていけるだけのスキルや経験を備えていくことこそ、本質的に強い自分を作ることが出来ると思います。
そして、こうした自分を振り返る良い機会になるのが転職というイベントです。ぜひこの機会に自分を見つめ直すことをしてみてはいかがでしょうか。