エジプトの文学
古代からの悠久の歴史を持つエジプトの魅力は、遺跡や壁画、芸術だけに限りません。
文学もまた、エジプト文明の醍醐味です。
エジプト文学は、古代の宇宙創造神話、人生訓としての「知恵の書」に起源があるものです。
また、パピルスの巻物に描かれた葬祭文「死者の書」からは、エジプト人の死生観を窺うことができます。
<宇宙創造神話>
エジプト文学は、紀元前270年頃の宇宙創造神話や呪術的な葬祭文などにその源流を見ることができます。
神話や葬祭文は、「ファラオ(王)」を神格化する目的で書かれています。王の絶大な権力を確立するのに貢献し、且つそれを直接的な目的として存在していました。
<知恵の書>
宇宙創造神話とほぼ同時期のものです。
人生の教訓として、父親が息子に与えるもので、文学的にも重要な意味をもちます。
「知恵の書」では、神への服従や自己を抑制することなどを人生の規範とすることが主題となっています。
<死者の書>
「死者の書」は、紀元前16世紀にパピルスの巻物の書かれた葬祭文です。
永遠の命を信じるエジプト人の死生観を示す貴重な資料です。
神々への賛歌、死者再生の願いが絵を添えて描かれています。
エジプト近代文学は、これらの伝統の流れを汲み、かつ新たな展開を見せます。
伝統的に封建制度が続くエジプトにおいて、自由のための戦いを先頭に立って率いたのは、近代文学者たちであったと言えるでしょう。
彼らは、「人生のための芸術」をスローガンとして、文学による政治への参加を主張しました。
代々エジプトの社会は、少数のエリートが支配する構造をもっています。ファラオの時代からの伝統であり、現在でもその本質に変わりはありません。
その為、外から訪れた観光客が、現地に自分の価値観を安易に持ち込むことは控えるべきです。