エジプト探訪ガイド

古代エジプトの芸術

エジプトを訪れたのならば、美術館に行かないわけはありません。

古代エジプト美術は、神々の崇拝や宇宙創造神話、そして死後の世界への信仰を特徴とします。

当然ですが、後々のあらゆる西洋美術はこれらエジプトの芸術の影響を多分に受けています。

ファラオ(王)は神の代理人であり、エジプトの古代芸術はそのファラオの政治権力の保護を目的に発展したことから、ある意味で政治的な側面が色濃いものとなっています。

ファラオの統治は3000年間も続き、古代エジプトの美術には、それぞれの時代の王権の強大さが反映されています。

建造物は、ピラミッドに代表されるように何らかの幾何学的形状をもちます。

絵画でも、定型化、あるいは抽象化された図柄が目立ち、これらはその後のエジプト美術の基盤となりました。



古代エジプトの建築にも、当時の人々の死生観がよく反映されています。

死後の世界を信仰するエジプト人にとって、墓は永遠の家を意味する極めて重要なものでした。その為、大きくて頑丈な石造建築が用いられたのです。

その他、オベリスク(方尖柱)もエジプトの特徴的な建造物です。

これは、日の出を象徴する役割をします。太陽神ラーの信仰が強まってくるにしたがい徐々に建造されるようになりました。

神を祀る神殿も巨大で、前面にオベリスク、列柱が並ぶ様式で造られています。

また、エジプトの遺跡を訪れた人々が必ず惹き付けられるのが、その壁画の素晴らしさでしょう。

壁画は、死者を来世へと旅立たせる案内書になるものとして墓室に描かれました。

したがって壁画では、永遠に相応しい人物像、つまり抽象化された人体の図像が追求されました。

我々が絵画として見慣れているような三次元的な描写ではなく、顔は横から、目と眉と両方の肩は正面から、そして胴と足はまた横から見たものが描かれています。

上記のような理由により抽象的である壁画と比べ、彫刻はとても写実的な表現で作られています。

これは、彫刻が礼拝所に安置される目的で作られたことに起因します。死者の霊が宿りやすいように人間に似せる、という意識があるのです。