モスクについて
エジプトにおける宗教の構成は、イスラム教スンニー派が90%以上、キリスト教コプト派が7%を占めます。
イスラム教は、宗教という枠組みを超えてエジプトの人々の生活全体に深く根付いています。
イスラム教の礼拝堂は、「モスク」と呼ばれます。アラビア語の「マスジド」(ひざまずく場所)が語源です。
イスラムでは、偶像崇拝という形式を採りません。神は絶対であるので、絵や形に表現できるものではない、という考えなのです。
混同しがちですが、モスクはあくまでも礼拝を行う場所であるため、仏像が安置されている日本の仏教寺院などと異なり、崇拝の対象となるものはないのです。
神や天使、預言者などの偶像は置かれていませんし、描かれることもありません。
幾何学模様のような装飾が描かれているだけです。
具体的な図像を廃した内装と外観は、純粋に装飾、あるいは建築の美しさという観点において、非イスラム教徒にとっても大変魅力のあるものですよ。
モスクは、都市の各街区や各村に設けられています。
都市の中心には、金曜礼拝を行う「マスジド・ジャーミー(金曜モスク)」(略してジャーミー)があります。
大きなモスクは、ある意味で複合施設(コンプレックス)となっており、マドラサと呼ばれるイスラムの学院も併設されています。
エジプトのカイロには、次のようなモスクがあります。
<イブン・トゥールーン・モスク>
9世紀に完成。カイロに現存する最古のモスクです。
<アズハル・モスク>
10世紀後半に完成。併設されているアズハル大学と共にイスラム学の中心的存在のものです。
<ムハンマド・アリ・モスク>
19世紀にエジプトを支配したムハンマド・アリという人物が建設したモスクです。
素晴らしく華麗で壮大なその姿は、当時の彼の勢力の大きさを示しています。