断食について
エジプトでは、イスラム暦(ヒジュラ暦)第9月のラマダーン月には、太陽が昇ってから沈むまでの間、一切の飲食は禁止です。
これがイスラム教徒の義務のひとつ「断食(サウム)」です。
断食は、部外者が考える以上に厳しく、とても徹底したものです。
飲食やタバコを吸うことは勿論のこと、なんと唾を飲み込むことも禁止なのです!
病人や妊婦、および旅人は免除されますね。
しかし、日中は食堂が休業となったりするので、旅行者といえどもエジプトにいる限り、ラマダーンの影響を全く受けないというわけにはいきません。
また、思わぬとばっちりを受けることもあります。
人は誰でもお腹が空くとイライラするものです。これは本能ですね。
宗教的義務とはいえ、断食は辛いものです。自分たちが食べられないのに、観光客が平然と食べ歩きをしているのは、いらぬトラブルを招く元といえるかもしれません。
日没になると、大砲などの合図と共に食堂は人で溢れます。
この時期のカイロの帰宅ラッシュはまさに地獄です。誰もが仕事を早々に切り上げ、我先にと食べ物が待つ自宅へ直行するというわけですね。
日没後の食事は、「イフタール」と呼ばれます。
食堂によっては、この時期だけの特別メニューを用意しているところもありますよ。
また、イフタールを平らげた後、街には遊園地や出店が出るなど、まるでお祭り騒ぎです。
但し、お酒は厳禁です。
ラマダーン限定のとびきり甘いお菓子も出ます。風物誌ともなっていますので、この時期にエジプトを訪れたのであれば、是非試してみてください。
夜遅くまで楽しく飲み食いをし、深夜に床に就きます。
そして、夜が明ける前に朝食です。これを食べ損なうと、それこそ一日中空腹に泣かされることでしょう。
夜明けを知らせる太鼓の音と共に、またラマダーンの一日が始まるのです。