バリ島の祭り
豊かな食べ物を自給自足できるバリ島において、人々はその時間の多くを宗教活動に費やして生活しています。
そのため毎日、バリ島のどこかしらで祭りが開催されています。伝統的なバリ人はヒンドゥー教に属しており、バリ・ヒンドゥーという独特な伝統を伝えています。
バリ人は精神的に満たされた人が多いといわれています。
大きな寺院や広場の盛大な祭儀ばかりでなく、ひっそりとした裏通りや森の木陰、民家の庭の片隅など、いたるところで敬虔な信者による祭りが心を込めて取り行われているのです。
ヒンドゥー教の信仰や風習は、人びとの毎日の生活に色濃く残されています。店や家の前には毎朝、「チャナン」と呼ばれるお供え物をします。
日ごと、夜ごと、うっそうとした緑が生い茂る田舎道や白砂のまぶしい海沿いを、竹や草、身近な植物を精巧に細工した神へのお供え物を担いだ人びとの行列が続きます。果物や花立を色鮮やかに盛り上げた籠を手にささげ持った人の姿もあります。バリ島のいたるところで、ごく普通に見かける光景なのです。
バリ人にとってのお祭り「ウパチャラ」とは、宗教的な儀式です。私たち日本人が考えるお祭りのイメージとは若干異なるでしょう。ひたひたと行く裸足の足音は、バリ島のダンス、ケチャのリズムと響きあいます。
携帯電話を手にメールを打つ若者、原動機つき自転車で移動する人びとなど、西洋文化をたくみに取り入れつつも、彼らのなかには今でも独自のヒンドゥー文化が息づいているのです。
新しいものを受け入れつつ、古いものを大切に育んでいく柔軟な人々の心は、日常にしみこんだ神々との触れ合いから、自然に生まれてきたものなのかもしれません。